耐震・制震・免震ってどうちがうの?

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第4回 「オフィスビル耐震性能特集」

 

最近メディアでも大規模な地震を想定した報道が多く取り上げられています。そんな中、「耐震」「制震」「免震」といった言葉を聞いたことがあるかと思いますが、一体何が違うの?と疑問を持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。それぞれの構造の違いを比較してメリット・デメリットを知っていただけたらと思い、研究してみました。

 

1.耐震構造

 

壁・柱・梁(はり)などの建物の主要構造部分の強度を上げて、建物自体が振動に耐えて揺れに対抗できる構造。頑丈にできていて、日本国内で一番多い工法。

 

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【メリット】

建物が倒壊する可能性が低く、強風ではほどんど揺れない。

【デメリット】

揺れが直接建物に伝わるため、家具の転倒などの被害が大きくなる。上階ほど揺れが大きい。また、地震発生の度に建物の損傷が進行する。

 

2.制震構造

 

建物内にダンパーと呼ばれる振動軽減装置を設置することによって、建物に伝わった地震の揺れを吸収する構造。高層階の揺れを低減します。

 

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【メリット】

耐震構造に比べて地震の揺れを20%~30%程度軽減できる。頻繁に地震が発生しても建物がほとんど損傷しない。損傷は振動軽減装置部分に限定される。

【デメリット】

建設費がやや高くなる。揺れは耐震構造とそれほど変わらないため、家具の転倒などの被害がある。

 

3.免震構造

建物と地盤の間に積層ゴムなどの免震装置を設置することによって、地震の揺れを直接建物に伝えにくくする構造。ゆっくり平行に揺れて、大幅に揺れを軽減することができます。

 

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【メリット】

地震の揺れを50%~80%程度軽減でき、家具の転倒などの被害を大幅に減少できる。

【デメリット】

定期的なメンテナンスや交換などでコストがかかる。また、台風などの強風の時に大きく揺れる。

 

いかがでしたか?なんとなくご理解いただけましたでしょうか。

 

 ちなみに私は自他共に認める地震嫌いです。震度3で心拍数が上がり、震度4で完全に冷静さを失います。家でも会社でも「揺れるとうるさい!」と言われるので、ものすごく“免震構造”の建物に憧れます(๑´ロ`๑)

 

最後に、最新のオフィスビルをご紹介します。 

 

【PMO半蔵門ビル】

 

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こちらのビルは建築基準法で定められた耐震基準の約1.5倍の強度を持つ「Ⅰ類構造体」を採用しています。このⅠ類構造体は、通常 ”官公庁・病院・警察署など災害対策拠点として利用され強度が求められる施設” に採用されるものです。

 

毎日こんなビルの中にいられたら安心ですね♬

 

 

【京橋エドグラン】

 

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こちらのビルは国内最高クラスの免震構造ビルです。7階の床下を免震層とする中間層免震構造を採用しています。途中階に免震装置を挿入することによって、免震層より上の階がゆるやかに揺れることで、その分免震層以下の階でも地震の力が小さくなります。

 

こんなオフィスビルで働きたいっっっ・・・・私のように少しの揺れも苦手な方は、この記事を読みながらそう思われたのではないでしょうか(´'▽')

 

あらためて日本の建築技術って凄いですね。地震大国の日本。この国にいる限り地震を回避することはできませんが、これからも安全な建物がたくさんできるといいと思います。

                                c.watanabe☆彡